静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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えんてつ!第3話 100円の夏。






 新浜松駅からの「赤電」の終点、西鹿島駅。今日乗る「北遠本線」はこの駅が始発駅となっている。昔はJR東海バスが「天竜線」と言う事で運行を行っていたこの路線は、当時の二俣線遠江二俣駅から飯田線中部天竜駅駅まで結ばれる予定であった「佐久間線」の先行ルートとしての路線であった。が、戦前〜戦時中は遠州鉄道が運行していたバス路線と言う少しややこしい経歴を持つ路線である。





 遠州鉄道の一般バス路線では最も長い距離を走る路線ではあるが、運賃は水窪町まで乗っても630円と言う非常にリーズナブルな運賃設定。でもお客さん少ないんだろうねぇ・・・などと思っていたがとんでもない話。お年寄りの方で非常に賑わってた訳で。後で調べてみると水窪では年に1回の「みさくぼまつり」と言うのが開催されていた、と言うのと、9月15日から21日まで65歳以上のナイスパス利用者、70歳以上の人は全員「一乗車100円」と言う企画が行われており、見事にその日に来てしまったと言うのが実際の所。そりゃ、お祭り見に行くお年寄りの人で多くなるわなorz。幸いにして添乗員席は「お年寄りの方はご遠慮下さい」と言う席になっていたので、その席を確保させて貰う事にする。



■さぁ、水窪町行バスに乗車。今日はお年寄りの方が多かったりなど。


 12:11、満席+立ち席数人で西鹿島駅を出発。途中お客さんを少しづつ下ろしながら山の中に入っていく。この北遠本線の沿線は非常にダムが多くなっており

 写真の船明(ふなあきふなぎら)ダムの他にも秋葉(あきは)ダムを眺める事が出来る。黒部ダムのような雄大な景色ではないものの、山の中を走っているなぁと言う事を感じる路線である。だが、道路はしっかりと整備されており(そりゃダムがありますし)、途中では秋葉ダムのダム湖から浚渫した土砂を運んでいるダンプカーとすれ違ったり、浜松の市街地と龍山・佐久間・水窪を結ぶ主要道路と言う事で車も結構多く走っている。そう言う面では静岡市内だけを2時間以上走っていたしずてつの静岡井川線(現:南アルプス登山線)とは大違いである。もっとも井川の方は鉄道が走っていますし人口も少ないですから。
 途中、国鉄バスの頃の名残を残すバスターミナルを幾つか通ったり、「鮎釣」などと言う由来を知れば面白いだろうなぁと言うバス停を眺めながら約1時間で「西渡」(にしど)駅に到着。
 さて・・・、ここで正直悩んだ。
 このまま水窪町まで行って「みさくぼまつり」を見に行くか、それとも当初の目論み通り佐久間レールパークにJR(鉄道線)を使わないで行くか、と言う事で。ただ、車窓の風景が「ここで降りようよ〜」と何故か自分を誘っているのに気付き、運賃箱にナイスパスをタッチしてしまった。世の中なんて案外そんなもんですw。
 ここまでで西鹿島駅から630円也。