静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

Part5 高速はこだて号/函館駅前→札幌駅バスターミナル


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ごめん、正直地図は大きいかなと思いますが、区間が区間なだけに勘弁して下さい。

函館での約1時間30分ほどのトランジットが終わり、いよいよ往路の最終ランナーである「高速はこだて号」に乗車となります。
この「高速はこだて号」、数社が共同運行しており、さて、一体どこの会社の便で来るのかなと思っていたら北都交通の担当便でした。既に乗車されている方も居るのですが、その方は最前列席を取ったもののステッカー入れが邪魔して景色が見えないよ!と言う事を書いており、車両を見ただけで「おい、大丈夫か?」と思ったのですが・・・

夜行便用のカーテンが少しばかり視界を遮っていたものの、前方の風景を見るのには何も問題がありませんでした。また、エアロクイーンと言う静岡近辺ではドリーム静岡・浜松号の増車分ではないと乗る事も出来ない車両だっただけに、なかなか良い感じ(と言うか、静岡周辺でスーパーハイデッカーの高速バスに乗るのはなかなか至難の業だったりするのですが)。椅子も某社のものとは違って3列独立シートとなっていて快適以外の何物でもありません。

この「高速はこだて号」、函館まで高速道路は来ていないため、最終乗車地の「八雲」まで約2時間ほど一般道を走る事になります。黒松の並木をある街道を走っていきますが、やはり本州とは風景が全く違います。この道路を走っている時こそ「北海道にやって来たなぁ」と思う瞬間なわけで。本当に遠くまで来てしまいましたが・・・まだ終着の札幌までは約4時間もある。

函館から一つ峠を越えると大沼公園。列車の中からですとその光景はよく見えますが、高速バスからですと・・・う〜ん、そんなによく見えないような気が。道路と鉄道、走っている所が違うので仕方ないと言えば仕方ない部分もあります。この付近もそうなのですが、信号が本当に少なく、これならば「高速道路を走らなくても案外大丈夫なんじゃないのか?」と感じる所。車窓の景色を眺めながらiPadで音楽を聴いてますが(iPhoneのバッテリー対策のため)、車内ではビデオを放映。流石に6時間を越える長距離路線です。(ちなみに札幌駅まで2本ビデオを放送しておりました)

札幌函館間を走るもう一つの路線バスとも数回離合をして、噴火湾沿いの国道を札幌に向かって走って行きます。途中でスーパー北斗号に思いっきり抜かれたりして行きます。札幌から函館までは特急列車で約3時間。高速バスでは約6時間。随分鉄道とバスとじゃ違うもんだねぇと思うのですが、この「6時間」と言う距離を冷静に考えてみると、10/1に運行を再開するJR東海バスの「京阪神昼特急静岡号」の静岡駅前からUSJまでの所要時間。地図の上や感覚だけで見ると「札幌函館なんて近いじゃん」って言うように思ってしまうのですが、実際に乗ってみると結構な距離!北海道の広さと言うものをようやく実感できました。実際、最終乗車地である「八雲」は函館駅前から約2時間先の場所になってましたし。

その八雲インターから道央道に入るのですが、暫くの間は対面通行・・・と言うか、場所によっては上下線がかなり分かれている。最高速度も制限されていることから一般道を走っているのとそう変わりない状況。とは言え「有料道路」と言う事もあり車の数は本当に少ない。東名高速をホームグランドにしている自分から見ては「本当に高速道路なのかな?」と思ってしまったり。実際には東名高速の通行量は異常だと思うのですが。
北海道に入ってから雲が空に出始め、時間帯的にも夕刻に。フロントウィンドウから見る景色もすっかり夜のそれに。眼下に夜景も見えるはずではあるが、流石に静岡からの疲れを引きずっているのかウトウトしはじめる。それもしれでバス旅の楽しさなんですが。


そして、今回の行程の中で足柄SAから数えて2箇所目の開放休憩地である有珠山SAで休憩。2箇所目、と書いて自分でも正直驚きましたが、ラ・フォーレ号が開放休憩が無いって言う事を考えると確かに「2箇所目」ではあるんですよね。夕食をどうしようかなぁ・・・と思っていたのですが、差し当たって某社のお茶も飲み飽きたので売店で売っていた「飲むヨーグルト」を買ってバスに戻ったり。この「飲むヨーグルト」、サラサラしているのかなぁと思ったら・・・とんでもございません。濃厚ドロリと言う感じで非常に美味。家で食べているプレーンのに非常に近い感覚。有珠山SAに行ったら是非お試しを。

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そんなこんなで休憩も終え、いよいよ札幌までの最後のひとっ走り。
既に真っ暗。外を見てもどこらへんかは正直分からないので「地図を持ってくれば良かった」と思いっきり後悔していたのですが、それでも4車線になってくると札幌が近いと言うのが分かります。苫小牧行や室蘭行の高速バスともすれ違いながら新千歳空港最寄りの千歳インターを通過し、そういえば去年の忘年会の時に空港から札幌駅まで高速バスで行ったっけなどと思いながら更に走って行きます。

20:17。いよいよ札幌市のカントリーサインを眺め、その数分後に札幌南インターを流出。札幌市内の停留所でお客さんを下ろしながら21:00には札幌駅前バスターミナルに到着。

こうして、静岡からの「高速バス&船で行く札幌」と言う片道の目的は達成されました。

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飛行機で行けば羽田経由でも多めに見て5時間、静岡空港経由ならば順調に行けば4時間程度で行く事ができる札幌ですが、陸路をたどれば丸々24時間以上でした。正直疲れましたし、この行程を逆順で帰れ、と言われれば「勘弁して下さい」と言う自分が確かに居ます。
ですが、ラ・フォーレ号の車内から見た津軽平野の風景、フェリーから眺めた津軽海峡、乗換待ちの間に眺めた青森や函館のまち、そして、車窓から眺めた函館札幌間の噴火湾沿いの風景や大沼公園。飛行機からでは眺める事のできない風景に出会う事ができました。そして、機会があればそれらのまちを歩いてみたいと思う自分が居ました。
そう思うと、「飛行機」や「新幹線」では見る事ができない風景を楽しめたと言う事は案外良かったのではないかと思うところがあります。そして、改めて「飛行機」や「新幹線」と言った乗り物の利便性を確認する事ができた、そう思うのです。

とは言え・・・こんな旅は若いうちにやっておくべきだと思ったのは言うまでもありません。