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浜松市における地域産業の現状〜産業集積と地域経済環境〜(1)

■発表要旨
 現在の地方都市が抱える問題として「地域産業の疲弊」が挙げられるが、浜松市においてもこの状況は同様である。
 当市では音楽産業だけではなく、機械産業や光産業といったものが市内に数多く展開しており、外部からは「産業集積」を形成していると認識されている。
 しかしながら、リーマンショック以降の世界的な景気低迷は当市にも多大な影響を与えており、中心市街地においては遠鉄百貨店新館が最近オープンしたものの、旧松菱跡については未だ再開発の目処が立たないものである他、旧西武百貨店跡に建設された「ザザシティ」についても運営会社が経営破綻しているのが実際のところである。
 本発表は浜松市が今後目指す「音楽の創造都市」の基盤となる地域産業の現状を歴史的観点から見た「産業集積」と「地域経済環境」と言う2つの視点から確認する事により、当市における「創造都市」の議論を深めるための参考に資することをその目的とするものである。
浜松市における産業集積形成の系譜

 現在の浜松市の主要産業として「輸送機械」や「光産業」、「一般機械」、「エレクトロニクス」、「楽器」と言った産業が存在しているが、これらの産業は全てがバラバラで成り立っているものではなく、その源流を辿ると全てが「綿織物」と「製材業」にたどり着く。その中で様々なキーパーソンや社会情勢等の外部環境によって浜松地域の産業は変化を遂げてきた。
 なお、静岡県では浜松地域を「静岡新産業集積クラスター」の1つである「フォトンバレープロジェクト」として、集中的に光・電子技術関連産業の集積を図っている。