静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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想いがたくさん詰まった場所

 それぞれの人にとって「場所」に対する想いって言うのは色々とあると思う。
 長い時間を過ごした所への「想い」や、大事な人と過ごした場所への「想い」。何か新しい事を始めようとした決意を固めた場所への「想い」。当然自分にとってもそんな「想い」を持っている場所って言うのはある。

 その「想い」を持っている場所が消える時、人はどんな事を考えるだろうか。
 「無くなってせいせいとした」って言う人も居るかもしれない。
 「何でそんなものを無くすの?」って言う人も居るかもしれない。
 「確かに【想い】はあるけど、仕方ないことだよね」って思う人が居るかもしれない。

 コンセンサスなんて絶対に全員に出来ないものだと思うし、その「消えていくもの」の対する感情は色々とあって当然だろうと思う。

 引退が決まっている東海道新幹線300系車両の最終運行まで1カ月。ラストランとなる東京発新大阪行き臨時「のぞみ329号」の指定席切符約1300枚は、16日午前10時の販売開始からわずか約1分で売り切れに。JR東海の職員からは「ここまで高い人気とは。びっくりしました」との声が漏れた。

 山田佳臣社長は発売前日となる15日の定例記者会見で「約20年前にデビューし、当初は多少のトラブルもあったが、ここまでよく育ってくれたのかなと思う」と感慨深げな様子。「高速鉄道の先駆者として頑張ってくれた」と話していた。

 JR東海は、ラストランに向け、名古屋市の「リニア・鉄道館」で3月1日から「のぞみ」の歴史をたどった企画展も開催する。
ラストラン、わずか1分で完売 300系新幹線引退産経新聞(2/16確認)

 自分にとっても「300系のぞみ号」は学生の頃の想いがたくさん詰まった場所。
 デビューしたばかりは静岡には全くと言って停車しなかった、とは言え、当時車内販売のアルバイトをやっていたので、その関係で「乗客」ではなく「乗務員」として東海道を山陽を西に東に走っていた。バイトでの仕事ぶりを褒められた事もあったし、海水浴から帰ってきた後で行路に入ったら背中が痛くてたまらなかった事もあったし、男性バイトなのに何故か「のぞみ27号」(当時の最終博多行のぞみ)でサービスコーナーに立ったこともあった。

 でも、一番忘れられないのは、祖母がなくなった時に乗った「のぞみ」号。
 阪神大震災山陽新幹線区間が運休になって、新大阪始発の便に乗って過ごした2時間30分、そして、葬儀が終わって東京から新大阪へ向けて乗った最終ののぞみ号。あの時の車内の雰囲気だけは今でも忘れられない。
 その後、社会人になって300系「こだま」号に静岡県内だけで何度も乗った事もあるが、その頃の「のぞみ」で感じた何かは無かったような気がしないでもない。20年前に受けた印象があまりにも大きかったのか。

 3月16日の「のぞみ329号」。
 あの頃聴いていた音楽をiPhoneに入れて、東京から新大阪まで行ってみようと思う。