静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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「深海少女」に八景島&西武グループが見た夢は?

 
 昨日は久々に読書三昧の日々を過ごしていたのでエントリを書かないでおりました。で、今日は先日行ってきた八景島の39's CARAVANの感想から色々と書いてみようと思う所です。
 また今回も相変わらず読む人を選ぶエントリなので、折り曲げておく事にします。

 まず、今日のエントリを読む前にこちらの動画を予めご覧ください。


【初音ミク】 深海少女 【オリジナル】ニコニコ動画(9/18確認)

 確かにねんどろの浴衣Ver.は良かったですし、スタンプラリーも良かったですわ。Hatsune Appearanceも良かったのですし、水族館も良かったです。いや、浴衣Ver.はマジで可愛いですよ、ほら。

 とは言うものの、一つだけ気になっているのがあるところで。それは「何で【八景島】なの?」と言うところです。
 確かに東京都心部からは約1時間程度で行けるような程々の距離ですし(事実、自分も品川駅から約1時間で到着しました)、「それじゃちょっと遊びに行ってみようか」と言うことでは丁度いい距離なのかなと思うところは実際にあります。ですが、何で【八景島】をその舞台に選んだのか?と言うのがやっぱり気になって仕方ないところなんですよね。都心部だったら後楽園でも豊島園でも花やしきでも何でもあるのに、と言う所だと思うのですが。

 そこを考える上での「キーワード」と成りうるのが、上に挙げた「深海少女」と言う作品であると言うのがまず1点、もう1点が「西武グループ」であると言う点になって来るのではないかと思っています。

■「深海少女」と「スマイルトレイン」の微妙な共通点。

 今回のイベントの中で、水族館の水槽の中に・・・
 
 こんな感じで動画「深海少女」のワンシーンが再現されていました。で、その動画のワンシーンはと言うと、元々のイメージとしては
 
 こんな感じのイラストで表現されています。流れとしては、「動画」から「イラスト」が発生し、そのイラストから「水槽の中の深海少女のワンシーン」と言う事になっているのですが、このあたりはそれこそ「CGM」と言った概念で捉える事がまず可能ではあるのかと思いますが、その中で一つブレイクスルーしていると言うものを挙げれば「水族館の水槽の中」と言うものがあるのではないかと思う所です。だって、ねぇ、まさか本物の魚が住んでいる水槽の中に置くのか?って言う「(今までの)常識を外れた」事を平然とやってのけたことがありますが、むしろそれ以上に興味深いのは運営会社の「そこまでに至った議論のプロセス」であるのではないかと思うところなんです。

 その背景には「他の行楽施設と比較した場合の売りの少なさ」であるとか(実際、水族館を見るまで2,700円は高いんじゃね?と思っていましたが・・・入ってみると、これなら納得できるという部分はあります)、それに起因した「来場者数の減少」と言った部分もあるかと思います。そんな中で、ある種「普段なかなか水族館や八景島に足を運んで来ない層」に来場して貰い、改めて「水族館(と言うか八景島)のファンになって貰う」と言う最終的なストーリーがそこには存在すると思います。あれ、これって例の下田市夏色キセキの関係と同じなんじゃね?と思う部分もありますが、基本的には同じ構造だと思います。

 下田の場合には「積極的に仕掛けていく」事が求められる地理的条件にあるとおもいますが、極端な事を言えば八景島の場合には「そんなに積極的に仕掛けていく必要があるのか?」と思う所も地方民としては正直あるんですよね。だって、やっぱり「横浜」と言えばそれだけで一つのブランドだと思いますし、仮に横浜方面で1泊2日の観光コースを組むって言うのならば、ファミリーやカップル向けならば2日目は八景島って言う選択肢はやっぱりすぐに考えてしまいますので。下田だと、やはり東京から距離はありますし、観光地って言えば少なくとも伊豆半島中が競争相手になってきます。実際には伊豆半島どころか房総や三崎も競争相手になるのですけどね。

 ですが、ここである意味八景島、と言うより「西武グループ」としてこだわった事って言うのは何か?って言うのを考えてみると、「立場の違う人との協業」と言うのが実はあるのではないかと思うのです。その実例と言うのが既に西武グループの中には目に見える形で存在してまして・・・。それが「スマイルトレイン」こと30000系電車です。

 すんません、一時期西武拝島線沿線に住んでいたのですが、なかなか30000系電車には乗れる機会が無く、ロクな写真がありません(10両固定まだ無いし、拝島行急行は10連メインだから8連だとなかなか入らないのよね)。
 この30000系電車の企画段階では西武鉄道の女性社員が相当意見を言ったと言います。座席の形状やつり革の形状、車体のデザインなどなど、パース画を見た時に「本当にこんな電車できるのかよ?」と思っていたのですが、実物を見ると「こう言う考え方もあるのよね」と言うように感じ、個人的には非常に納得したものがあります。恐らく、従来の「設計」と言うプロセスに異質な存在を突っ込む事により、技術的には面倒くさい話になるものの「ユーザーに訴求できるプロダクツ」が生まれてきたと言う事になったのではないかと思うのです。
 鉄道における車両は「プロダクツ」であるのと同時に「商品」でもあります(実際に鉄道の場合には列車の時刻までも含めたもので「商品」となりますが)。そんな中で、「商品」を【どんなお客さんに対して売っていくのか?】を考えた結果と言うものがこの「スマイルトレイン」こと30000系電車では無いのかと思うのです。
 恐らく、そのストーリーとしては「今まで女性に見向きされなかった【電車】と言うものを、どうやって【快適な輸送空間】として女性や子供、お年寄りに認識してもらうのか?」と考えられるのではないかと思うのです。その結果として、他の電車も使って欲しい、電車を使ってお出かけして欲しいと言うことを目指しているのかと思うのです。

 そう言う「新しいお客さんを掴んでいきたい」と言う、西武グループにとっての切実な願いが八景島のこのイベントにあり、「スマイルトレイン」30000系にあり、そして、他にも展開されていた西武園周辺の再開発プロジェクト?にもあるのではないかと思うのです。そう考えると、他の遊園地ではなく、「西武グループの【八景島】が、39's CARAVANを実施した」と言う理由が個人的にすんなりと腑に落ちるのです。

 些かどころかかなり牽強付会的な部分もあって、書いている自分も「おいおい、そりゃ穿ち過ぎだよw」と思ってしまいそうなんですが、西武グループの大規模な再編が行われて来た中で、どうやって「お客様に認知してもらうのか?」と言う事を考えた一つの結果だと思うんです。東武東武スカイツリーやってるわ、東急は東急で渋谷ヒカリエ伊豆急夏色キセキとのコラボやってるわ、小田急小田急で箱根を持っているわ、じゃぁ、その中で西武は何をするの?って言う他社との関係も実はあったのかと思うところです。

 後は、「深海少女」の歌詞の内容を見てみると・・・いや、これって一体どうよ?と思った部分もありますし(歌詞はBlogに書けないのでこの部分は突っ込んで書けないのが辛い所)、折角西武グループでやるんだったら、沼津の伊豆・三津シーパラダイスでやって貰った方が地元にお金が落ちる可能性がもっと高いんじゃないのでは(沼津駅から三津までは小田急グループの沼津登山東海自動車の路線が走っているんですがね。伊豆箱根バス修善寺駅からバスが出てますが)?と思ったりとかしたのは静岡民としては考えたところもあるのですが、それはそれで別のお話と言う事で(苦笑)。