静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

その悪いところ。

 ですが、今回の福知山線の事故はその「悪いところ」が思いっきり出てしまった、と言う感じがしないではないのです。様々な情報の中に、こんなものがありました。


JR西日本・尼崎電車区で1分の列車遅延を理由に乗務停止の扱いを受けていた運転士が自殺するという悲しい事態が発生しました。
JR総連通信 No.446 2005/4/26現在
 色々な所でコピペが出回っているので、先刻ご存じの事とは思います。確かに「1分」列車を遅らせてしまう事によって接続する列車に接続できなくなり、乗客からのクレームが上がる事によって会社のイメージダウンになると言うものもありますし(鉄道会社にとって、列車は「商品」そのものですから)、状況によってはこの「1分」の遅れのために傷害事件も発生する危険性もありますので、「1分」を大事にしなくてはならないと言うJR側の考え方は分かります。製造業で言えば「製品に瑕疵を発生させる事により、収益を減少させる」結果となりますので、その原因となった人にはそれ相応の対応をしなくてはならないと思います。
 ですが、当該ページを読む限り、「P電源が点灯している」と言う車掌の申告による処置がその原因とあります。P電源、と言われても分からない方も居ると思いますが、恐らく「放置しておいても安全に支障がないもの」であれば「点検を手配します」と言う一言で終わったものかと思いますが、「点灯していてはならないもの」であった故に処置を行ったと考えるのが妥当なものであると思います。すなわち、「製造ラインを流れてきたものに瑕疵があると判断出来たので、一旦ラインを止めて問題解決を図る」と言う行為と換言する事が可能であります。
 この問題に関しては、組合問題が絡んでいますので一概に言う事は出来ないのですが、恐らくトヨタのような企業では躊躇する事無く行わなくてはならない、と指導されているようなものではないでしょうか。その「当たり前」と思われるような事を当たり前に行ったが故に処分を受け(本来なら整備側の担当者がその責を負うべき事態だと思いますが)、挙げ句の果てに自殺まで追い込まれてしまった、と言う結果になり、違和感を感じている所であります。
このような問題の積み重ねが結果として、今回の福知山線の事故を招来してしまったのではないでしょうか。