静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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しずてつ高速バス最初の一歩 清水駅→セントレア


 清水駅前、午前3時50分。雨が降る中そのバスはやってきた。「中部国際空港」と言う表示も誇らしく。そう、この日清水・静岡からセントレアへの直行バスが運行開始になった。だが、その運行開始は「中部国際空港」への直行便と言う意味以外にもまだある。
 今まで中距離高速線を運行しながらも撤退してきた静岡鉄道〜今ではしずてつジャストラインではあるが〜が、本格的に県外への高速バスを運行開始すると言うこと、その意味が大きいのではないだろうか。
 本当なら飛行機に乗るためにこのバスに乗りたいが、今日は風呂を浴びに行くために乗る。

 この日のために準備したバスは3両、それも全て、清水区内の営業所(西久保営業所1台、鳥坂営業所2台)に配属され、セントレア行の便に限定使用され、清水駅発4:00の便は西久保営業所所属の車両が使用される。
 早速車内に乗り込み、前方を見ると液晶ディスプレイによる案内表示が目を惹く。このディスプレイでは車内の案内の他や、しずてつ独自の現在位置表示をはじめ、最終休憩地の遠州豊田PAを出ると、乗車当日はナビ画面が表示され、セントレアまでの残り所要時間がどの位になるのかが分かる。他社でも表示すれば面白いと思うが。

 乗車定員は38名であり、足下が非常にゆったりとしているのが特徴である。椅子そのものは通常の観光バスと同様のものであり、少し残念ではあるものの、それでも東名高速を走る昼行便の中ではJRバステック車にひけを取らない快適さでは無いだろうか。
 また、車両後方には洗面所も設置されており、清水駅前からセントレアまで約3時間の行程で急を要する事態になっても問題はない。
 清水駅前を出ると有度局前(草薙駅最寄り)、静岡駅前、新静岡、静岡IC入口、東名焼津西・東名大井川・東名吉田・東名掛川・東名袋井と自社エリアを丹念に止めて集客をする。

 この日は航空機利用者8名ほど、空港見学兼初乗り組20名ほど、関係者約10名ほどがこの初便に乗り込み、席はほぼ埋まった形であった。なお、乗車券には座席番号が記載されているが、実際には「定員制」の運行であり、空いている席に乗車して構わないとの事である。
 休憩は遠州豊田PA1カ所のみである。その時に実際に写真を撮ってみたが、しずてつの基本色である赤・青・金を使いながらも、従来には無かった塗り分けを用いているのが印象的である。いや、それよりも側面に描かれた"Shizu-tetsu Express"と言うロゴに「セントレア線だけでは終わらせない」と言う意欲を感じる。

 豊田JCTから伊勢湾岸道渥美半島道路、セントレアラインと走り、7:15にセントレアに到着。
 乗客は三々五々思い思いの目的地に向けて散っていった。誰もが恐らく思うのは・・・「セントレアだけではなく、東京、名古屋、甲府、長野、そして大阪へ走って欲しい」と言う所ではないだろうか。今後のしずてつの英断に期待したい所である。

 で、私は目的地である空港内の銭湯に入って多少のんびりとし、ミュースカイに乗って名古屋駅へと向かった。次は中央ライナー