静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

高速バス車内での弁当販売

 があったなんて「ちょwwww」としか言いようがないんですが、何気なく借りてきた「東海軒繁昌記」にこんな記載があった。ちょっくら転載してみる。


各所への販路の拡販と宣伝へ開眼
 七、八月は静岡斎場、日本平動物園売店へ弁当類の納入或いは東名高速国鉄バスにも静岡インターから積み込みの勧奨があった。(有賀政次著[1976]、『東海軒繁昌記』、合名会社東海軒)
 補足しておきますが、大体1969(昭和44)年頃のお話とか。東名高速線の開業は昭和44年6月なので、恐らく開業当初の話だと思います。
 今でこそエキチカやNEWDAYSとかでおにぎりとお茶を買って駿府ライナーやしみずライナーに乗り込むんですが、東名静岡から弁当の積み込みをやる、って言う話は初めて知りましたよ。それこそ、途中休憩の足柄SAだの浜名湖SAだので何か買ったりしてたんだろうなぁ、なんて思うのですが。
 んじゃ、一体どうやって販売したのかって言うと・・・

 国鉄東名バスの早朝時の車輌に、一ヶ年余にわたって弁当納入を行っていたが、利用者の確認とか現品の受け渡しの係員が乗務せず、運転士の兼務の体制であっため、弁当の過不足、或いは代金収受に欠陥を生じ、研究を続けたが適策が生まれず、遂に二月上旬納入契約を解消する事になった。(有賀政次著[1976]、『東海軒繁昌記』、合名会社東海軒)
 確かにそうですなぁ。
 実際、静岡インターの近くにあるガソリンスタンドに東海軒の売店が併設されており、そこからの積み込みだと思うのですが、ワンマン運行をしている以上どうしても上手く行かなかったって言うのが実際の所でしょう。しかしながら、「既存の鉄道と同じサービスを可能な限り提供しよう」と言う国鉄の方針が分かるエピソードだと思います。今では考えられない話ではありますが・・・。
 あと、これが可能だったのは当時の東名高速線の車輌には無線が付いていたって言うのもあったのかもしれません。今は全て携帯電話でのやりとりどころか、BM端末が入ってリアルタイムで予約状況が分かるのですが、当時としてはやはり画期的なシステムだったのでしょうね。