静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

座談会(1)

 流石に一晩だけでは書ききれないので、自分がお話をさせて貰った中で「とにかく気になった」部分だけまとめてみました。明日以降にも続きますのでよろしくお願いします。
■企業として。
 仕事の現場を見ていないので何とも言えない部分がある点を差し引く必要がありますが、村瀬社長を初めとして同社のスタッフの方々と意見交換をさせて頂いて感じた事は以下の通りです。
 1 企業としての理想を明確に描いている。
 2 理想と現状の乖離の状況を明確に把握している。
 3 理想と現状の乖離を縮めるための行動を行っている。
 4 理想・現状・行動に関する社員のコンセンサスが取れている。
 バスと関係無い部分ですが、この4つの項目が全て共有化されている事に驚きを覚えると同時に、これらの点を把握しているが故にここまで伸びてきたのかな、と思う所があります(元々市場そのものが小さかったので、その分の伸びしろが大きかったと言う部分もありますが)。良くあるパターンで、トップがしっかり動いて居てもミドル層がなかなか動かなかったりとか、現場は言わずもがなと言うのがありますが、座談会に出席していたスタッフの方々を拝見する限りでは在る面「理想に近い会社なのかな」と思う所がありました。
 本業で色んな会社にお邪魔し、社長さんとお話をする機会が幸いにして多いのですが、その会社の事を把握するためにやってる方法として「社長さんにどれだけ熱意があるか」と言うのを実は重要視しています。「親会社が○○しているから」と言うような企業は正直言ってパッとしないものがあるのですが、「自分達は〜したい、だから〜をする」と明確に言う事が出来る企業は社員さんの士気も高いですし、やっぱりその「熱意」と言うものが伝わってくるんですよね。その「熱意」と言うものがはっきりと伝わってくる企業、そんな印象を受けました。
■企業としての理想像
 「日本中をバスで旅する事ができるようなネットワークを組みたい」、これが同社の目指す所です。
 確かにこの話って言うのは以前どこかのwebサイトで読んだ話もありますし、「結局は自社のバスで運んで、そこから先の足を地元のバス会社に丸投げだろ」と言うような感想を持ったのですが、実はそうでは無かったようです。
 「企業規模を拡大する事が目的ではない」「地方の路線バスを活性化したい。」と言う話の上で「高速ツアーバスは『過渡期』の存在である」と言う話が出てきましたので・・・想像していた企業像と全く違う所に戸惑いを感じました。ですが、「一儲けしてやろう」と言うようなものではなく、「一人のバス好き」としての「バスに対する想い」が強く伝わって来ました。話の中でどのスタッフの方から出てきたのは「地方を旅行しようと思ってもバスに関する情報は全くと言って良いほどまとまってない」と言うものでしたし、「その部分を何とかしたい」と言う想いを口にしていたわけで。・・・あれ、これっておいらがやってる「静岡の高速バス倉庫」と同じスタンスじゃない?と正直思いました。違いはそれを商売にしているかしてないか、と言うだけのような気がするんです、烏滸がましいですが。
■理想を達成するために。
 「高速ツアーバスは『過渡期』の存在である」。この言葉が幾度となく出てきました。
 既存バス会社には「様々の良い点」がある事を認めながらも、「業界内部でのしがらみ」があると言うものです。その「しがらみ」を解くための手段としての「高速ツアーバス」の存在であり、既存事業者の持っている路線の販売が出来るのであれば競合「高速ツアーバス」コースからの撤退する、と言い切っているのはただ単に「収益を拡大したい」と言う企業では取れない戦術ではないかなと思います。そこに至るのは正直言ってかなり困難だと思いますし、正直に言えば「10年や20年というロングスパン」になってくるでしょう。
 あと、やはり出てきたのが「免許制度の見直し」と言うものでした。現在の「路線バス免許」で動いている「高速バス」に関する規制を緩和し、その新しい「高速バス」へ参入をしたいと言う考え、確かに自分も「現状に即した制度」であるべきだとは思ってますし、そのために同社が「適切な対立軸」として存在をしたい、と言う理由も分かります。
(明日に続く)