静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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新東名スーパーライナー4号(1)/名古屋駅→(新東名)遠州森町PA

 バスは10分前位に入ってくるのかと思いきや、20分前に既に乗り場に入ってきた。早速乗ってしまおうかと思ったが、アイドリングストップをしているのは間違いがないので、多少いろんな写真を撮ってみた。

 バスそのものは普段見慣れているJR東海バスダブルデッカー車。ただし、車内は36人乗りの「デラックスシート」と言うことで、個人的には初めての乗車と言うか着座。元々静岡県内からだと乗るチャンスは無いですので。社番は744-10992号車と言うことなのだが、気になって自宅に帰って調べてみると、前日(6/1)の新東名スーパーライナー4号にも充当されていた模様。恐らくはこの便で東京まで向かった上で、その日の夜行で名古屋に戻り、また新東名スーパーライナー4号で東京へ向かうと言うハードな運用になっている。

 同じような時間帯にJRバス関東担当の「中央ライナー2号」が名古屋駅を出発するが、その並びも抑えることができた。かたや02年車、かたや10年車。基本的なデザインは同じであるが微妙にデザインが違うことが分かったり、塗り分け1つで印象も変わってしまう。そして、今回確保できた最前列。

 確かに眺めは最高ではあるが、座るときに「やっぱり狭いなぁ」と言うのを改めて感じた。座ってしまえば問題ない、と思う所はあるのだが、足を伸ばせないと言うのは昼行便ならまだしも夜行便だと正直厳しい。この日は東京から静岡に戻るのに「ドリーム静岡・浜松1号」を使ったのだが、最前列では無かったので足を十分伸ばすこともできたし、更に言えば後ろに人が居ないので座席も倒し放題。昼行と夜行で座る席を変えたほうがいい、と言うのはやはりこの10年車にも言えるところか(7/1からの「ビジネスシート」では改善されるみたいだが、一体どんな感じになるんか気になる所)。

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 バスは満席(ほぼ)のお客さんを乗せ、一路名古屋駅を出発。時刻表には「新東名高速道路経由」の他に「伊勢湾岸自動車道経由」との表記もあったので、一体どのような経路を通るのか?と気になっていたところであった。今までの便では名古屋インターまで延々一般道を経由していっただけに。

 結果的には名駅入口(環状外)鶴舞JCT(3号大高線)名古屋南JCTと言うようにルートを進めて行く。途中には、愛知県庁名古屋市役所を望むことができるルートを走ることが、ここまで「名古屋城」をイメージした建物とは思っていなかった。正直自分自身名古屋市内を車で走る事は全くないし、名古屋高速を走るのも名神高速線の超特急便位しか無いので、今回通ったのは全く初めての道路である。しかし、実際に自分が出かけたところの上とか、今日乗ってきた名鉄電車、東海道線などをまたぐ所もあり「あの車窓から見た高架道路はこの道路だったのか」と初めて気づくこともある。結局電車だけでは分からない部分も色々ある。

 そして、周辺に住宅地が増え、緑も多くなってくると名古屋南JCT。ここから先は伊勢湾岸自動車道を豊田JCTまでの短い区間ではあるものの走ることになる。伊勢湾岸自動車道は「京阪神昼特急静岡号」や「京都大阪ライナー号」でもおなじみのルート。安城の観覧車も眺めることができるが、考えてみると昼間に豊田JCT方面へ走ったと言う記憶が全くない。「京都大阪ライナー号」ならば完全に寝ている区間だし、「京阪神昼特急静岡号」では既に日が暮れた夜の景色。そうなるとここもまた「新しいルート」になるところ。


 ちなみに豊田JCT通過は11:10頃。名古屋駅を出てから40分しか経過してない。東名高速経由の「スーパーライナー号」では、名古屋インターまで一般道を経由して東名豊田まで時刻表上では53分。渋滞もあることを考えるとひょっとしたら30分前に名古屋駅を出発した「東名スーパーライナー20号」を既に追い越していたのかもしれない。新東名は現在工事中の愛知県内区間が開業すれば、浜松いなさJCTからここまでやってくる。その時にはこの便は、東名高速経由ではなく豊田からそのまま新東名に入ることになるのではないだろうか。

 豊田JCTから東名高速に入ると車の量が一気に増える。
 豊田JCTから美合PAまでは一応3車線とは言えども応急的に3車線にした区間と言うこともあり、最高速度は60kmと一気に速度は落ちる。実際に車線の幅も狭くなっているので仕方ない。他のトラックや自家用車が100km/hで走っていく中、バスは一番左側の車線を最高速度を守って巡航していく。今でも「豊田JCTを先頭に・・・」と言う交通情報を静岡でも聴くことができるが、実際にバスの2階席から眺めてみるとその理由もよく分かる。やはり新東名の全線開業、とまでは言えないが浜松いなさ〜豊田間の開業は望まれているところなのかもしれない。しかし、不思議なことにこの3車線区間が終わって2車線区間になっても特に渋滞は起こらず、そのまま最高速度の100km/h(実際にはもっと遅いかもしれないが)、多少車間が詰まっているものの快調に走っていく。
 豊川を越え、新城に入ると高速道路の管理上は静岡のエリアになる。以前は三ヶ日までだと思ったのだが。山に分け入り、宇利トンネルを抜けると「静岡県」と「浜松市」のカントリーサインが飛び込み、その後休むまもなく「新東名」と「東名」を分ける三ヶ日JCTの予告サインが数回にわたって出てくる。さぁ、いよいよ新東名高速道路のクルージングが始まる。

 三ヶ日JCT東名高速道路から別れ、まだまだ新しい道路を進んでいく。だが、看板には「新東名 東京」と言う案内の他に「三遠南信道 飯田」と言う案内も出ている。三ヶ日JCTから浜松いなさJCTまでの間は「引佐連絡路」と言い、厳密に言えば新東名高速ではない。だが、開通までの間は一体として運用されている。

 山々の中を抜けている真新しい道路、これが「新東名高速道路」の印象である。開業当日に通った時はまだ山桜が咲き誇っていた頃であったが、今では新緑の時期も越えて既に深い緑に変わっている。そう、何れにしてもそれだけ時間が経ったと言うことである。

 浜松いなさJCTで進路を「新東名 東京」に変え、カーブが非常にゆるやかなランプウェイを駆け上がって行くと60km/h制限の標識も消え、いよいよ新東名高速道路本線に入る。最初に入るトンネルは「引佐トンネル」。そのすぐ手前にある電光掲示板には「新静岡インター」まで55分、と言う今までの東名高速では考えられない時間が出ている。そう、これが新東名高速道路の威力である。カーブも勾配も少なく、今までより短い距離で結んでいることの結果である。

 幾つかのトンネルを抜けると、都田川橋に差し掛かる。そして、その真正面には一直線の長い道。新東名随一のロングストレート区間。その途中には「音楽」をモチーフにした浜松SAがあるが(まだ上りのYAMAHAさんの方には行ってませんorz)、今日も混雑表示が出ている。1ヶ月経ってもまだまだ人気の「観光スポット」になっていると言うことだろうか。何とか行ける機会はないかと睨んでは居るものの、なかなかそのチャンスがないのが悲しい所。

 浜松浜北ICを越えるとすぐに天竜川を超える。すると遠州森町PAの案内放送がすぐに流れる。
 この「新東名スーパーライナー号」の新東名高速上での唯一の休憩場所はこの遠州森町PA

開業日に立ち寄ったこともあるPAではあるが、今日も貸切バスが2台ほど来ている他、相変わらず自家用車は多い。結局昼食を調達できず、トイレと一服だけで終わってしまった。ちなみに、新東名のPA/SAにある自動販売機で販売されているお茶には、新東名で無いと買えないお茶もある。お約束ながらこれを購入して再び車内へと戻る。