静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

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3/16 のぞみ329号(3)/新富士→名古屋


 静岡通過の手前、座席を立ってデッキに向かってみた。言うまでもなく自宅などの方を見てみるためである。考えてみれば、乗務していた頃は多少手が開けばやはりこんなふうにデッキから実家のある方を眺めてみたりとか、静岡車両区(当時は静岡運転所)を眺めて一息ついていた。新幹線では通りすぎるものの、なかなか実家に帰るチャンスも無いと言うのが実際の所であり、そんな時にこのデッキからの光景を見てほんの少しだけ気分転換を図る、と言うものであった。
 あの頃とは色んな光景が異なっているし、車両も113系ばかりであったのが、今では211系や313系と言う新しい車両に置き換わっている。大学を卒業して静岡に戻ってきてから約16年、最近は見た目だけも本当に変わってきたもんだ・・・と思うところであるのは言う間でも無い。


 そして、静岡駅通過。
 本当だったらこの駅の奥のほうにある建物で仕事をしている訳であるし、実際に会社を休んで今日は乗りに来ている。有給休暇行使で何も問題はないのだが、一瞬だけ「あの仕事の件どうだっけ・・・」と脳裏に過ぎってしまったのは仕方ない。このまちで仕事をしている以上は。
 しかし、そんな想いも一瞬にして静岡駅のホームにぶん投げてしまうかの如く、のぞみ329号は西へと驀進していく。安倍川を渡り、日本坂のトンネルを抜けると志太平野。一昨日に仕事で来た藤枝や島田のまちを通り抜けて大井川を渡り静岡空港の直下をトンネルで抜ける。一体本当に静岡空港駅なんぞ出来るのかどうかは気になるところではあるが・・・。


 更に西へと進み浜松駅を通過。そして、進行方向右手には119系が最期の時を待ちつ西浜松の留置線を見ることができた。飯田線の119系もこの日を以って運用を終了して後進の213系や313系に道を譲ることになる。119系は211系が静岡に来る直前まで「するがシャトル」用として2両編成で静岡口でも運行をされていた。しかし、遂にその最期の日を迎える事になったと言うこともあり、これだけの車両が西浜松で最期の時を待っているようである。
 飯田線にやってきた「ミライ」も「キノウ」に変わっていく、と言う事であろうか。


 そして、名古屋着。
 名古屋でも多くの人の砲列や出迎えを受ける事になった。ここで目に見える半数のお客さんが降り、また同じだけのお客さんが車内に乗り込んできた。運転開始当初の「のぞみ301号」は名古屋通過、と言うのもあった。本当にすぐ昨日の事のように思い出されるが、実はもう20年も前の話である。本当に早いものである。