静岡の高速バス倉庫 アーカイブ

過去記事のアーカイブになっています。

2001-02-01から1ヶ月間の記事一覧

とり☆さか軍団

「ただいまー、ああ、今日も満席満席。」 そう言って三人兄姉の末っ子が帰ってきた。 「お帰りー。今日はどうだった?」 「今日はどうって・・・相変わらず満席だよ。全く、誰が煽っているかは知らないけどさ。ま、お客さんが居ないよりは気分は楽だけど。」…

思いも寄らない

「そう言う訳だ。」 「はぁ、分かりました」 ボスの長い話から解放されて、オフィスに戻った。 「全く、何でこんな展開になるのかなぁ」 私は、そんな事を思いながら明日の仕事の事を思った。 「もう、1年経ったんだよね」 そう、この仕事を始めてからの話…

果てしないこの空、どこまでも行こう。

「おはようございます、出発点呼お願いします」 「はい、おはようさん。今日が初出勤だったな」 「はい。精一杯頑張ってきます」 「あんまり気負わないように・・・って言っても無理だろうな。今日は思いっきり気合い入れてやって来い!」 「ありがとうござ…

生まれ変わるとき。

麻酔が切れた。うっすらと目を開けてみる。 天井が見える。そして、まどの外では仲間たちが仕事へ向けて寝ている様子が見える。ベッドに起きあがってみる。よし、何とか身体は動きそうだ。だけどまだ、どこかまだ少し身体のあちこちに違和感を感じている自分…

新しい場所で。

「そうか、明日から別の所を走るようになるんだ」 「まぁ、こればっかりは仕事だから仕方ないけどね」 「じゃぁ、頑張れ。水戸に居たって言う誇りを忘れないでな」 「ありがとう」 東京に引っ越す前日、水戸で一緒に仕事をして来た仲間たちから励ましの声を…

いつもが、そこに。

新しい路線が出来たからって言っても、何も変わることはない。 ただ、私は色んなお客さんを乗せて走る事だけ。それが役目だと思っている。 「おい、本当の所はどうなんだよ?」 「ん?何がですか?」 「いや、お前も本当はあちこち走ってない所行ってみたい…

道を開く。

新宿に行った子は居るんだけど、渋谷に行った子はまだ居ない。 「ねえねえ、渋谷ってどんな所なのかなぁ?」 「話には色々聞くけど、何かすごくオシャレな所なんだって」 「へぇ、そうなんだ。」 「けど、私も富士急さんから塩浜で聞いただけだから全然わか…

divergence

"divergence"、分岐点。 幾つものお客さんの想いを乗せて、幾つもの分岐点を通って、今、ここに居る。 「おーい、そろそろ出番だぞ」 「はいはい、今行きますよ」 そんな風に声をかけられて、東京の車庫を後にする。今まで走った事がない遅い時間帯にこのま…

wake me up!

「う〜ん、今日もよく寝たなぁ」 朝5:30。夏も少し遠くに過ぎて、あの頃のように明るいって言う事はない。 「おはようさん。さぁ、今日も一日頑張りましょうか」 「はい。頑張りましょう。だけど、また最終便でここに泊まるんでしょ?」 「おいおい、朝から…

海に一番近い道。

「ほらー、行くよぉ。」 「・・・ったく、お前はいつも元気がいいなぁ」 「元気だけが取り柄なんだからね(笑)。ほら、お客さん待っているんだから」 「はいはい。」 「じゃぁ、行ってきまーっす!」 いつものように、自分の家を出る。通りですれ違う親戚の…

痛みを越えて。

「おう、今日も快調だね。んじゃ、大阪までひとっ走り行って来るか」 「はい、バッチリですぅ。大先輩から受け継いだこの仕事、絶対負けたくありませんからね!」 「ははは、お前らしくていいや。でも、途中でエンジンストップなんてなるなよ」 「はい、大丈…

地元の責任。

「で、今度はどこに引っ越せって言うのさ」 「・・・静岡。」 「静岡ぁ?あんな田舎の支店に引っ越せって言うの?この私が?」 「仕方ねぇだろ、上が決めた事なんだから。この家は閉鎖するって言うように決まったんだから。」 「仕方ないわね。さっさと荷物…

彼女の役目。

この仕事をはじめて・・・かれこれ5ヶ月。「たまには他の所にも行ってみたいなぁ」なんて思っている私が居ます。だって、毎日毎日、同じ所を行ったり来たりしている訳ですから。 「おはよう、今日は一日よろしくな。」 「・・・おはようございます。」 「あ…